車に乗るときにポケットの中にキーを入れておけば、ドアノブに手を近づけたりドアノブを引けばロックが解除されるスマートキー。
最近ではかなりの車に設定されていて、使っている方も多いのではないでしょうか。
ドアのロックだけでなく、スマートキーであれば、エンジンをかけるのも、キー自体はポケットの中にいれたままスイッチを押すだけでかかるので、慣れてしまうともう戻れない便利さですよね。
ところがスマートキーが普及するにつれて、この便利さの仕組みを悪用した「リレーアタック」という手法で盗難される可能性が指摘されるようになりました。
ついに2018年9月には日本国内で初めてリレーアタックによる盗難未遂事件が確認されました。
そこで今回はスマートキーを使用していて盗難が心配な方に向けて、
- リレーアタックの仕組みや対策方法
- おすすめなリレーアタック防止グッズ
を紹介していきたいと思います。
今回の記事をぜひ最後まで読んで、愛車が盗難にあわないように、リレーアタックへの対策をして、しっかり防止してくださいね!
リレーアタックの仕組みや対策方法は?
リレーアタックによる盗難は、今までのように物理的に鍵を壊したり窓ガラスを割ったりすることがないので手法を特定することが難しく、仮に盗難された車が見つかったとしても、後からリレーアタックの手口によって盗難されたとはっきりとはわかりません。
なので今回国内で初めてリレーアタックによる盗難未遂事件が発覚したのですが、実際にはそれ以前からリレーアタックでの盗難事件が発生していた可能性は十分にあります。
それでは愛車をリレーアタックによる盗難から守るために、仕組みや対策方法について見ていきましょう。
リレーアタックの仕組みは?
リレーアタックの仕組みを理解するためには、まずスマートキーの仕組みを理解する必要があります。
スマートキー装備の車からは、およそ1メートルほどの範囲に届く弱い電波が出ています。
車から離れているところにあると、スマートキー自体からは電波が出ていませんが、車に近づき車から発せられる電波を受けると、スマートキーからも電波が出ます。
スマートキーから出た電波を車が受信し、正しいIDと認識するとドアを開けたりエンジンをかけたりすることが可能になります。
リレーアタックの仕組み
- 通常は車から出る電波は非常に弱く1メートルも届かない位なので、スマートキーは家の中など車から離れた場所においてあれば反応して電波を出すことはありません。
- ところがリレーアタックでは、車の近くにいる犯人が、車から発生する弱い電波を増幅する特殊な装置を使って電波を増幅して飛ばします。
- スマートキーが家の玄関においてあるとすると、もうひとりの犯人が玄関の近くで電波を中継して家の中のスマートキーを反応させ電波を出させます。
- 家の中のスマートキーから出た電波をまた中継して、逆の流れで車に届けると、車はスマートキーが近くにあると認識してロックを解除させたりエンジンをかけることが可能になってしまうのです。
まさに電波を中継(リレー)して車を盗難することからリレーアタックと呼ばれるのですね。
ではリレーアタックはどのようにして対策すればよいのでしょうか。
リレーアタックの対策方法は?
リレーアタックを防止するためには、犯人が中継した電波をスマートキーが受け取り反応しないように遮断する必要があります。
そのためにはスマートキーが電波を受発信しないように、
- 金属製の缶に入れる
- アルミホイルで包む
- 市販の電波遮断ポーチに入れる
という対策をとるのがおすすめです。
自宅で鍵をしまう場所は、できるだけ駐車場の車から離れた家の中央部に、金属製の缶に入れておくと安心ですね。
玄関や窓際など外から近い場所では、ひょっとすると電波を中継できる可能性がありますから。
リレーアタック対策
金属製の缶にキーを入れておけばOKかと
実験済みですが自己責任で! pic.twitter.com/i2EfsNDKXK— tac (@tac86712) 2018年12月27日
家で保管するときには、缶に入れて家の中央に置けばいいのですが、問題は外出時に駐車場にとめてレストランで食事をしたり、お店でショッピングをしたりするときですよね。
外出するときに見栄えの良くない金属缶を持ち運ぶのもかっこ悪いですし、せっかくのスマートキーをわざわざ缶に出し入れするのは何より面倒で、スマートキーの意味がありません。
それならボタンでロックを解除して、エンジンはキーシリンダーに挿してかける従来のキーレスキーの方がリレーアタックの心配がない分マシなくらいですよね。
そこで外出時に持ち歩いてもかっこ悪くない盗難防止グッズを紹介したいと思います。
金属缶やポーチなど盗難防止グッズのおすすめを紹介!
外出時にスマートキーを電波から遮断するために入れるための金属缶や専用の電波遮断ポーチを紹介したいと思います。
電波遮断可能な金属缶は?
自宅で保管するための金属缶は、とくに見た目も大きさも気にならず、とにかく電波が遮断できるかどうかが問題ですよね。
持ち運ぶための金属缶であれば、サイズが小さく手軽に持ち運べるということから考えると、100均で売っている金属製の携帯灰皿などもおすすめです。
ただ金属缶によっては、電波を遮断できるものと効果のないものがあるので、くれぐれも事前に缶にいれたままドアロックが解除されないかどうかを確認してみてくださいね。
リレーアタック対策に空き缶が良いとの情報がありますが、これらの缶は効果なしでした。 https://t.co/fP4ct3MF9Y pic.twitter.com/yYp5xMrDWu
— 作次郎@高知 (@sakuziro_kochi) 2019年1月20日
電波遮断ポーチのおすすめは?
市販のリレーアタック対策用の電波を遮断してくれるポーチであれば、見た目もスマートで持ち運びもかさばらず、車に乗るときにケースから簡単に出せるのでおすすめです。
どうしてもケースから出すという一手間がかかってしまいますが、車が盗難されることを考えると必要な手間であるといえますね。
2個セットで電波遮断ポーチを手に入れれば、家においてある予備のキーも入れておくことができて安心です。
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まとめ
今回はついに日本国内でも盗難未遂事件が確認されたリレーアタックについて、その仕組みや対策方法、防止グッズなどを紹介してきました。
リレーアタックは犯行の手口の痕跡を残さないため、現状でもかなりの件数の車両の盗難がリレーアタックによって行われているといわれています。
せっかく便利なスマートキーですが、盗難されないように電波を遮断しようとすると、金属缶や電波遮断ポーチからの出し入れという一手間がかかってしまうのは、本当に腹立たしいですね。
最近の車では操作をすることによってスマートキーから電波を発しないようにする機能がついたものもありますが、全ての車種ではなく、押し忘れる可能性もあり、完全な対策が開発されるまでは、犯罪者とのイタチごっこはしばらく続きそうです。
愛車を守るためにも、ぜひ今できる対策は万全にとって、車が盗難されないように気をつけてくださいね!